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【2026年4月施行】法定養育費制度について

前回の投稿では「共同親権」についてお話ししましたが、今回は同じく2026年4月に施行される予定の改正民法のなかから、「法定養育費制度」 についてまとめたいと思います。


法定養育費とは?

2026年4月以降に離婚した方が対象となり、離婚時に養育費の取り決めをしなかった場合でも、子ども一人につき月額2万円の養育費を相手方に請求できる制度 です。



つまり、従来は

「離婚時に養育費を取り決めていない=請求できない」

という状況でしたが、制度開始後は 取り決めがなくても法定額を相手方へ請求できる ようになります。


これまでとの違い

これまでは、離婚時に養育費の話し合いをしていない場合

・再度協議

・家庭裁判所での調停

などを経て、あらためて取り決めを行わなければ請求することができませんでした。


その結果、話し合いの負担や精神的ストレスから、養育費を受け取れないまま生活が苦しくなる方も少なくありませんでした。


法定養育費制度が導入されることで、

✔ 離婚後に話し合いが難しいケース

✔ 相手が連絡に応じてくれないケース

でも、最低限の金額を請求できる道が開かれます。


とはいえ…やはり取り決めは離婚前に

法定養育費制度は大きな前進ではありますが、あくまで“最低限の保障”に留まります。


養育費は、本来

・子どもの年齢

・学費・習い事などの負担

・両親の収入

などを踏まえて算定するもので、月額2万円では足りないケースがほとんどです。


そのため、制度に頼りきりにするのではなく、離婚前に夫婦間でしっかり養育費の取り決めを行い、公正証書などの形に残しておくことが大切です。


将来的な紛争予防にもつながり、安定した養育費の受け取りにも役立ちます。


最後に

法改正により、離婚後の子どもの経済的基盤が守られやすくなることは大きな一歩です。しかし、最も安心できるのは、やはりお二人の状況に合わせた養育費の合意を事前に整えておくこと。


当事務所でも、

・養育費の取り決め

・離婚協議書の作成

・公正証書原案の作成

などをサポートしておりますので、不安な方はお気軽にご相談ください。

 
 
 

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