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別居で後悔しないために

今日は「別居合意書」についてお話しします。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、別居をスムーズに進めるために重要な書類です。


「一度距離を置いて冷静に考えたい」

「このまま一緒に暮らし続けるのは難しいけれど、いきなり離婚というのも不安…」


そんなふうに感じて、まずは別居を選ぶ方も少なくありません。離婚を前提としない別居であっても、別居中の生活についてしっかり整理しておかないと、思わぬトラブルにつながることがあります。


そこで、別居をスムーズに進めるための「別居合意書」について、作成の目的や記載する内容、注意点などをわかりやすくご紹介していきます。


別居合意書とは?

別居合意書とは、夫婦が別居を始めるにあたって、あらかじめ話し合っておいた取り決めをまとめた書面のことです。法律で定められた書式があるわけではありませんが、内容によっては大きな意味を持つ重要な書類です。


別居合意書を作成しておくことで、「言った・言わない」といったトラブルを防ぎ、別居中の生活を安定させることができます。また、いずれ離婚協議に進むことになった場合も、この書面をもとに話し合いを進めやすくなります。


別居合意書に記載しておくとよい内容

以下のような内容は、あらかじめしっかり決めて書面に残しておくのがおすすめです。


  • どちらが家を出るか

  • 子どもと一緒に暮らすのはどちらか(監護者)

  • 面会交流の方法・頻度・ルール

  • 婚姻費用(生活費)の金額・支払方法

  • 財産や家計の管理方法(口座・クレジットカード等)

  • 別居の目的や期間(明確でなくてもOK)

  • 連絡手段や緊急時の対応


内容はご夫婦の状況に合わせて自由に決められます。ただし一方に極端に不利な内容にならないよう、バランスにも注意が必要です。


書面化するメリット

別居合意書を作成するメリットは次のような点があります。


  • 約束を明確に残せる(言った・言わないの防止)

  • お互いの責任や役割を整理できる

  • 後々の離婚協議がスムーズになる

  • 内容によっては、公正証書にして強制執行も可能


離れて暮らすと、相手の気持ちが変わってしまうこともあります。

たとえば、別居時に「子どもの養育費を支払う」と約束していたのに支払われない、

「面会させる」と言っていたのに会わせてもらえない、といったトラブルも実際にあります。だからこそ、口約束だけに頼るのは危険です。書面に残しておくことをおすすめします。


注意点とポイント


  • 内容はできるだけ具体的に書く

  • 子どもに関する取り決めは、子の福祉を第一に考える

  • 書面の有効性を高めたい場合は、公正証書にしておくと安心


また、相手が合意に応じない場合は無理に押しつけず、第三者を通じて冷静に話し合うことも大切です。


別居する時にあわせて検討したいこと

別居中に、相手が勝手に離婚届を提出してしまう…というトラブルも実際にあります。このように話し合いや取り決めができないまま離婚が成立してしまうと、養育費や親権、面会交流といった大切なことが未定のままになってしまい、後々トラブルに発展する可能性もあります。そうした事態を防ぐために、市区町村役場に「離婚届不受理申出」を提出しておくことも検討してみてください。



別居は、よりよい人生への第一歩。後悔のない選択のためにも、冷静に話し合い書面に残すことが大切です。一人で悩まず、専門家の力もぜひ頼ってくださいね。

 
 
 

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