子どものために離婚を我慢すべき?
- 熊倉麻子

- 10月12日
- 読了時間: 3分
更新日:10月14日
離婚を考え始めた人が、必ず一度は悩むのが「子どものために我慢すべきなのか」という問題です。
「子どもから片親を奪っていいのだろうか」
「夫婦仲が悪くても、子どもが成人するまでは我慢した方が…」
そんな思いから、なかなか一歩を踏み出せない方も多いと思います。実は、過去の私もその一人でした。
「我慢して一緒にいること」が、必ずしも子どもの幸せではない
夫婦仲が冷え切った家庭の中で、子どもが育つこと。それは本当に「子どものため」になるのでしょうか。
大人はつい、「夫婦の問題」と「親子の問題」を分けて考えがちですが、子どもは驚くほど敏感に、家庭の空気を感じ取っています。
必要なこと以外は口をきかない夫婦。
沈黙ばかりが流れるリビング。
小さな気まずさが日常になっている家庭。
そんな環境で育つ子どもが、どんな気持ちでいるのか。その姿を見て、私は何度も胸が痛くなりました。
子どもにとって「安心できる環境」とは
「両親がそろっていること」=「幸せ」とは限りません。大切なのは、子どもが安心して笑える環境があるかどうか、です。
夫婦仲の悪さを見せるよりも、母親ひとりでも笑顔で過ごしていた方が、
子どもにとってはずっと安心できる場合もあります。
私は今でも、何度も思います。「もっと早く別居していれば良かった」と。
無理に我慢して一緒にいるより、新しい形で穏やかな日常を築いていくほうが、
きっと子どもは嬉しかったはずです。
「片親」になることへの不安や罪悪感
離婚や別居を考えるとき、多くの人が感じるのが“世間の目”や“子どもに片親のレッテルが貼られること”への不安です。
「母子家庭になったら、子どもがかわいそう」
「金銭的にやっていけるだろうか」
「父親がいないことで寂しい思いをさせるのでは」
そうした不安が、あなたを立ち止まらせているかもしれません。でも、子どもは思っているよりもずっと強く、柔軟です。
親が明るく、前を向いて生きていれば、その姿を見て、子どもも自然と前を向けるようになります。
過去の自分に伝えたいこと
私自身、長い間「子どものために」と我慢を続けてきました。でも今振り返ると、「もう少し早く勇気を出せばよかった」と思います。
別居や離婚は、けして“逃げること”ではありません。
自分と子どものこれからの人生を守るための“選択”です。
もちろん、簡単に決断できることではありません。でも、「我慢を続ける」ことがすべての正解ではない。そのことを、この記事を読んでくださっている方に伝えたいです。
悩んでいる方へ。まずは「自分の気持ち」と向き合うことから
離婚は、書類や制度の問題だけでなく、心の整理が何よりも大切です。
もし今、「このままでいいのかな」と悩んでいるなら、まずは自分の気持ちを、少しずつでも言葉にしてみてください。紙に書いてみるのもいいですし、信頼できる人に話してみるのも良いでしょう。
そして、感情を整理できたら、現実的な選択肢(別居・離婚・養育費・面会交流など)を一歩ずつ確認していくことが大切です。
最後に
「子どものために我慢する」ことが、必ずしも“正解”ではありません。むしろ、子どものためにこそ、自分が幸せになる道を選ぶことが、本当の意味での「子どものため」になることもあります。
母親が笑顔でいられること。それが、子どもにとっての何よりの安心です。
焦らなくても大丈夫です。少しずつ、自分の気持ちと向き合うところから始めてみてください。
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