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離婚後の子どもの名字

更新日:2025年7月22日

離婚後、お子さんの“名字(氏)”をどうするか、悩む方も多いのではないでしょうか。「自分と同じ氏にした方がいいのか」「手続きが必要なのか」など、疑問や不安を抱える場面もあると思います。


特に、お子さんと一緒に暮らす親御さんにとっては、学校や日常生活で名字が違うことで戸惑いを感じることもあるでしょう。


今回は、離婚後の「子の氏の変更」について

・どんなときに必要になるのか

・どうやって手続きを進めるのか

・注意点


を、わかりやすくお伝えします。


子の氏の変更が必要になる場面とは?

離婚をして親権者になったとしても、お子さんの氏(名字)は自動的に変わるわけではありません。

例えば、婚姻中に父の氏を名乗っていた子が、離婚後に母の戸籍に入り、母と同じ氏にしたい場合には、「子の氏の変更」の手続きが必要になります。


これは、名字が異なるままでは不都合がある場合に検討されることが多く、以下のようなケースが代表的です。


  • 親と子で名字が違うと、学校などで説明が必要になる

  • 病院や手続きの場面で親子関係の証明が手間に感じる

  • 氏を変えることで、新たな生活に気持ちを切り替えたい


もちろん、無理に変更する必要はありません。生活スタイルや本人の意思もふまえて考えていくことが大切です。


子の氏を変更するには?

子の氏の変更は、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立て」を行うことで進めます。

裁判所での許可が下りた後、子どもを親の戸籍に入れることで、ようやく氏が変わります。


申立ての際は、以下のような点に注意が必要です。


  • お子さんが15歳未満の場合は、親権者など法定代理人が手続きを行う

  • お子さんが15歳以上のば場合は、本人が自分で手続きを行う

  • 許可が出るまでに1か月前後かかる場合がある


氏の変更後の注意点

氏を変更すると、戸籍も変わるため、住民票・保険証・学校関係など、各種手続きが必要になることがあります。


また、あまり知られていない点として――

お子さんが父の氏から母の氏へ変更し、新たに母の戸籍に入ると、父の戸籍からは除籍されることになります。


このため、将来的に養育費の支払いが滞った際などに、父親の住所を戸籍からたどることが難しくなるという一面があります。養育費の支払い状況によっては、慎重な判断が求められます。


一方で、子どもが父の戸籍に残ったままの場合、母子の住所が戸籍に記載されることになるため、父親との関係が悪化していたり、DVの恐れがあるようなケースでは、思わぬ形で住所が知られてしまう可能性もあります。


どちらが安心かはご家庭の状況によって異なりますので、安全面と将来の見通しの両方から検討することが大切です。



まとめ

離婚後の「子の氏の変更」は、子どもの生活環境や心の安定にも関わる、大切な手続きのひとつです。必ずしも氏を変更しなければならないわけではありませんが、親子で名字が異なることに不便さや不安を感じる場合は、検討してみる価値があります。


一方で、名字に愛着を持っているお子さんもいます。そうした場合は、大人の都合だけで決めるのではなく、お子さんの気持ちを最優先に考えることも大切です。


それぞれのご家庭にとって、いちばん穏やかに過ごせるかたちを見つけられますように。


 
 
 

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